
監督 亀井文夫
出演者 山田五十鈴、岸旗江、沼崎勲、宇野重吉、織本順吉、内藤武敏、北林谷栄、花沢徳衛、加藤嘉、神田隆、木村功、丹波哲郎、浜村淳
配給 北星映画
公開 1953年(昭和28年)2月20日
昭和27年に夕張で長期ロケが敢行された伝説の映画。
北海道の炭鉱労働組合の組合員が資金を出し合い製作されました。
ストーリーは労働組合色が強く、革命運動を彷彿される展開になっています。
夕張炭鉱に売り飛ばされた夫を追って、妻と子供2人が夕張を訪れ、そこで住民に助けられながら新たな生活を始める。
炭鉱会社側の、人を人とも思わない労働者の扱いに、一人の労働者の徹底抗戦から組合を動かし大規模ストライキまで発展していきます。
会社=悪 労働者=正義 という、ストーリーは一貫してインターナショナルな憧れを感じます。
撮影途中で夕張炭鉱で本当にストライキが起き、やむなく釧路炭鉱で撮影された場面もあります。
ここでは、昭和27年当時の夕張の風景に注目してご紹介していきたいと思います。
現在70代の夕張出身者の方で、この映画の撮影風景を見ていたという方にもお会いしたことがあります。

母と子が夫を追って夕張にやってきました。
ここは、なんと二股峠です。
鹿ノ谷小学校の裏の土手から撮影された場面です。

子供2人が小学校に入学しました。
ここは東山中学校です。
校舎は既にありませんが、左側のズリ山は現在もそのまま残されています。

夕張駅構内と社光の炭住です。
左端に夕張駅が見えます。
中央斜めに登る高松のズリ捨て線は今でも残っていますね。
ここは、現在の花畑牧場の駐車場あたりですね。

戦後、中国人労働者がお世話になったお礼を言いにきた場面です。
社光と高松の、当時の生活が伝わってきます。

社光の共同浴場です。

この坂と線路の踏み切りの斜め具合から、拓銀前の踏み切りではないでしょうか。

ストライキに向けて事態が荒れてきました。

映画では、カーブを登った最上部のアパートでしたが、社光でしょうか。

東山のズリ山頂上に集結する労働者たちです。
天竜橋が見えます。
舞台が夕張なので、他にも無数に貴重な映像を見ることができます。
この映画は昭和27年当時の夕張がわかる、一般に手に入れることが出来る最古の映像ではないでしょうか。
ぜひ購入して、ご覧いただきたいと思います。
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- 2012/01/23(月) 23:57:46|
- 夕張映画
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| コメント:3
夕張駅の項目で昭和10年の貨物量全国3位というのは、すごい隆盛のような気がしますが、実は囚人労働や長時間強制労働による酷使により達成されていたのかなと思うと、残念な数字のような気もします。
今でも中国では、年間炭鉱事故死亡者が今年はたった3000人以下に納まったのは安全対策の成果だなどと報道されたりして、どんな意識の国なのかとビックリしてしまいます。
- 2012/01/28(土) 21:14:09 |
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- tomato #-
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おかげで観ることができました。
脚本、新藤兼人さん、弱い立場の人間の描写はさすがです。
歴史的背景に基づくあまりにもせつなく悲しいストーリーに引き込まれました。
事故による多くの犠牲者の方によっても支えられた
石炭産業であったことを忘れることはできません。
それと同時に当時の夕張の町の様子が判る貴重な映像でした。
- 2012/01/28(土) 15:48:32 |
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- のぼり川 #-
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