
製作・配給 東映
1975年7月5日公開
監督 佐藤純彌
脚本 小野竜之助 佐藤純彌
キャスト
高倉健 山本圭 田中邦衛 宇津井健 千葉真一 小林稔侍 志村喬 志穂美悦子 渡辺文雄 竜雷太
丹波哲郎 黒部進 北大路欣也 植田峻 藤田弓子 岩城滉一 十勝花子 多岐川裕美
当時の最新鋭の新幹線ひかり号に爆弾が仕掛けられ、速度が時速80キロ以下になると自動的に爆発する仕掛けになっているため車両を止めることが出来ないという、先端技術の盲点をついたストーリー。
国鉄が猛反発して、ロケに協力してくれなかったという曰くつきです。
犯人側の物悲しい人生にも同情してしまう、人間ドラマになっています。
爆破予告が脅かしではない証拠として、北海道の夕張線に同じ爆弾を仕掛けたという冒頭の場面で、夕張が登場します。
ここでは、夕張の風景に係わる場面だけ確認していきたいと思います。

犯人の一人が深夜に貨物列車に爆弾を仕掛ける場面です。
ここは一体どこなのでしょうか、国鉄が協力していないので、私鉄のどこかだと思います。
夕鉄の日吉の化成工業所専用線ではないかという説があります。

仕掛けた犯人が、うまく出来たことを仲間に報告しています。
この電話ボックスはどこだったのでしょう。
新聞店の前にあった電話ボックスのようですね。

何も知らずに貨物列車は動き出し、犯人の脅迫電話で事態を知った駅員が、列車の運転士に知らせる場面です。
ここの路線は真谷地線という説が有力だと思いますが、どこの駅だったのでしょう。

この駅のすぐ前に山があり、その向こう側にも線路がある特徴的な場所ですね。

爆弾が炸裂しました。
ここは日吉の夕鉄の専用線でしょうか。


列車が脱線した場面です。
本当にここまでやってしまう大掛かりな作品はさすがですね。

向こう側にお寺のような建物が見えます。
ちなみに、この爆破ロケで使用されたSLは栗山町の公園に保存されているそうです。
ストーリー全体からは、爆破テストが夕張である必要はないとは思いますが、このようなロケが街中で出来たのは夕張しかなかったのでしょう。
当時の航空写真で照合しても、場所が特定できませんでした。
おわかりになる方がおりましたら、教えていただきたいと思います。
スポンサーサイト
- 2012/03/24(土) 03:52:57|
- 夕張映画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0

『同胞 はらから』 1975年11月1日公開 松竹
監督 山田洋次
脚本 山田洋次 朝間義隆
原作 山田洋次
キャスト
倍賞千恵子 寺尾聰 下絛アトム 市毛良枝 大滝秀治 渥美清
統一劇場 ※実在した「統一劇場」劇団員
岩手県岩手郡松尾村を舞台にした、農村部の青年たちと都会の青年劇団「統一劇場」との交流とふれあい、演劇の公演をめぐる人間模様を描いた、山田洋次監督の感動物語。
統一劇場とは当時実在した劇団で、実際に全国を回り公演活動を行っていました。
劇名は「ふるさと」といい、ここで歌われた歌は倍賞千恵子にて実際に発売された名曲「ふるさと」です。
学生運動が敗北した暗闇の中で、若者たち誰もが苦悩し未来を模索していた青春のひとコマを描いた傑作です。
物語が完結して統一劇場の倍賞が次なる公演場所を求めて訪れた場所として、夕張が一番最後に3分程度現れます。
これは、山田洋次監督の「次は夕張でやるぞ」というメッセージだったのではないでしょうか。
それは1977年の「幸福の黄色いハンカチ」に見事に引き継がれて実現していることと思いました。
ここでは、夕張の風景に係わる場面のみご紹介したいと思います。

この場面は、夕張駅から社光方向を見ていると思います。
ズリ山が見えますね。

上の場面をズームアップした場面です。
東山中学校に登る道を更に分岐して上に上がる道のようですが、そんな道は今は全くわからないです。

夕張の青年部の代表の人と倍賞が話し合いをして、帰路につく場面です。
ここがそのズリ山付近の謎の炭鉱住宅街です。

その細い道を下りて東山中学校の道に出た場面だと思います。
向こう側の福住や小松、高松にものすごい数の炭鉱住宅が見えますね。
いや、目頭が熱くなります。

その坂から見た夕張駅ですね。
蒸気機関車や駅のホームが見えます。
すばらしいと思います。

福住の住宅街です。
いや、すごいです。

社光の団地です。
最盛期を過ぎて15年が経過していたとはいえ、ものすごい数の住宅が当時の夕張の活気を教えてくれます。

東山中学校の道から社光の道に下りるところだと思います。
あの場所が、こんな状態だったのですね。

1981年の住宅地図で場面を照合してみました。
倍賞が歩いたルートは赤点を右から左だと思います。
わたしもぜひこのルートを歩いてみたいと思います。
みなさんもDVDを購入して、あの頃の夕張の映像をご覧いただきたいと思います。
- 2012/02/14(火) 20:35:38|
- 夕張映画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:2

監督 亀井文夫
出演者 山田五十鈴、岸旗江、沼崎勲、宇野重吉、織本順吉、内藤武敏、北林谷栄、花沢徳衛、加藤嘉、神田隆、木村功、丹波哲郎、浜村淳
配給 北星映画
公開 1953年(昭和28年)2月20日
昭和27年に夕張で長期ロケが敢行された伝説の映画。
北海道の炭鉱労働組合の組合員が資金を出し合い製作されました。
ストーリーは労働組合色が強く、革命運動を彷彿される展開になっています。
夕張炭鉱に売り飛ばされた夫を追って、妻と子供2人が夕張を訪れ、そこで住民に助けられながら新たな生活を始める。
炭鉱会社側の、人を人とも思わない労働者の扱いに、一人の労働者の徹底抗戦から組合を動かし大規模ストライキまで発展していきます。
会社=悪 労働者=正義 という、ストーリーは一貫してインターナショナルな憧れを感じます。
撮影途中で夕張炭鉱で本当にストライキが起き、やむなく釧路炭鉱で撮影された場面もあります。
ここでは、昭和27年当時の夕張の風景に注目してご紹介していきたいと思います。
現在70代の夕張出身者の方で、この映画の撮影風景を見ていたという方にもお会いしたことがあります。

母と子が夫を追って夕張にやってきました。
ここは、なんと二股峠です。
鹿ノ谷小学校の裏の土手から撮影された場面です。

子供2人が小学校に入学しました。
ここは東山中学校です。
校舎は既にありませんが、左側のズリ山は現在もそのまま残されています。

夕張駅構内と社光の炭住です。
左端に夕張駅が見えます。
中央斜めに登る高松のズリ捨て線は今でも残っていますね。
ここは、現在の花畑牧場の駐車場あたりですね。

戦後、中国人労働者がお世話になったお礼を言いにきた場面です。
社光と高松の、当時の生活が伝わってきます。

社光の共同浴場です。

この坂と線路の踏み切りの斜め具合から、拓銀前の踏み切りではないでしょうか。

ストライキに向けて事態が荒れてきました。

映画では、カーブを登った最上部のアパートでしたが、社光でしょうか。

東山のズリ山頂上に集結する労働者たちです。
天竜橋が見えます。
舞台が夕張なので、他にも無数に貴重な映像を見ることができます。
この映画は昭和27年当時の夕張がわかる、一般に手に入れることが出来る最古の映像ではないでしょうか。
ぜひ購入して、ご覧いただきたいと思います。
- 2012/01/23(月) 23:57:46|
- 夕張映画
-
| トラックバック:0
-
| コメント:3